グリーンキウイを1日2個? お腹の調子と食事・運動を臨床試験から考える

便秘でお腹が重い。仕事中もトイレのことが気になる。そんなとき、食事や運動で何が変わるのか。前回の「ストレスとお腹」に続き、今回は三つの臨床試験から、試す価値のある方法を見ます。

グリーンキウイを1日2個。便秘型IBSの排便回数が増えた

2023年の試験では、便秘型の過敏性腸症候群(IBS-C)61人、機能性便秘60人、健康な人63人が参加しました。グリーンキウイ2個/日とサイリウム7.5g/日を、それぞれ4週間試して比較しています。便秘型IBSでは、キウイを食べた期間に「自然に出て、すっきりした排便」が週平均1.73回増えました。お腹の不快感も改善しました。原著論文

「週1.73回増」はキウイを食べる前との比較です。サイリウムより1.73回多かった、という数字ではありません。研究が示したのは、便秘型IBSや機能性便秘の人が果物のグリーンキウイを食べた結果です。

食物繊維は「種類」で差がついた

IBS患者275人を対象にした2009年の試験では、サイリウム10g/日、小麦ふすま10g/日、偽薬を比較しました。1か月目に十分な症状緩和を得た人は、サイリウム群57%、偽薬群35%。2か月目も59%対41%で差がありました。小麦ふすまでは同じような一貫した改善は示されていません。原著論文

「食物繊維を増やす」だけでは雑です。IBSで検討するなら、どの繊維を選ぶかまで見る。なお、この試験で3か月目のサイリウムと偽薬の差は統計学的に明確ではありませんでした。

体を動かすと、お腹の症状も改善した

2011年の試験では、IBS患者102人を身体活動を増やす群と従来の生活を続ける群に分けました。試験を終えた人では、活動を増やした群のIBS症状スコアがより大きく改善しました(群間差 P=0.003)。原著論文。この試験は「筋トレが効く」と特定したものではありません。

試すなら、こう始める

  • 便秘が主体なら、グリーンキウイを食事に取り入れ、便通と腹部症状を記録する。試験で使われた量は1日2個。
  • 食物繊維を見直すなら、種類を確認する。サイリウムと小麦ふすまは同じ結果ではありません。
  • 座りっぱなしが続くなら、歩く時間や体を動かす機会を増やす。

食事を変えても、休憩が取れずトイレにも行きづらい職場なら対策は続きません。本人の習慣と職場環境を一緒に見直すのが産業保健です。企業の健康相談や就業支援は産業医・産業保健サービスをご覧ください。腹痛や便通異常が続く場合は、IBSと決めつけず医療機関に相談してください。

参考文献