若手社員の不調に気づいたとき、「最近の若者は打たれ弱い」と片づけてしまうと、仕事の負荷や相談しにくさなど、職場側で見直せる点を見落とします。本人への支援と働く環境の確認を、同時に進めることが大切です。
「若者だから」と決めつけず、何が起きているかを確認する
同じ「元気がない」という様子でも、背景は一つではありません。業務量、役割の不明確さ、対人関係、生活上の事情、心身の病気などが重なることもあります。管理職が診断をする必要はありません。まずは事実と本人の困りごとを分けて聞き、仕事への影響を確認します。
近澤徹医師は若い世代を「打たれ弱い」と評する職場の見方に問いを投げかけています。Tactical Medでは、この問いを職場の実務に引き寄せて考えます。世代の性格を論じるより、誰がどの業務で困り、どこに相談できるかを具体化する方が、次の対応につながります。
企業が整えたい三つの接点
- 本人への相談案内:社内外の相談先、利用方法、情報の扱いを、入社時や異動時にも伝える。相談したことで不利益を受けないよう運用を明確にする。
- 管理職への支援:変化に気づいたときの声のかけ方と、管理職自身が産業保健スタッフに相談する経路を用意する。
- 業務の見直し:勤務時間だけでなく、仕事の量・優先順位・裁量・人間関係など、負担になりうる条件を確認する。
厚生労働省「こころの耳」は、若年労働者へのセルフケア教育、管理職のラインケア、相談体制の整備を紹介しています。WHOの職場のメンタルヘルス指針も、個人向けの対策に加え、職場の条件に働きかける組織的な介入を扱っています。
不調が続くときは、支援の役割を分ける
管理職や人事は、本人の同意や個人情報への配慮を前提に、業務上の調整と相談への橋渡しを行います。症状の評価や治療は医療機関へ、就業上の配慮の検討は産業医などの産業保健スタッフへつなぐことを考えます。本人だけに「気分転換」や「体力づくり」を求めても、仕事上の負担が続けば十分とは限りません。
健康施策と職場の負荷の関係については、先に公開した「健康施策を増やしても、職場の負荷が減らないとき」でも整理しています。企業の体制づくりや面談については産業医・産業保健サービスをご覧ください。
