
導入
便秘に食物繊維がよいと聞いて、急に野菜やサプリメントを増やしたら、お腹の張りが強くなった。そうした経験はありませんか。食物繊維は一律に増やせばよいわけではなく、症状や摂取量に合わせて調整する必要があります。
本文
食物繊維の補充は、慢性便秘の選択肢の一つです。研究ではサイリウム(オオバコ種皮)やペクチンに改善効果が示されていますが、膨満感や放屁が増える可能性もあります。普段の食事量や水分摂取、便の硬さ、排便回数、腹部症状を確認し、食品から少量ずつ増やします。サプリメントを使う場合は製品ごとの含有量を確認し、薬を服用中の人や持病のある人は医療者・薬剤師に相談してください。腹部膨満や痛みが強い人では、自己判断で一気に増量すると症状が悪化することがあります。
エビデンス
慢性便秘の成人を対象とした16件のRCT、計1,251人の系統的レビュー・メタ解析では、食物繊維群で311/473人(66%)、対照群で134/329人(41%)が治療反応を示しました(RR 1.48、95%CI 1.17–1.88)。便回数も改善しましたが、研究間のばらつきは大きく(I²=86%)、鼓腸も増加しました。サイリウムでは特に有効性が示されました。著者らは10 g/日を超える用量や4週間以上の期間で反応が大きい傾向を報告しましたが、これは試験をまとめた結果であり、全員に同じ用量を勧める根拠ではありません。
企業・従業員への実践
職場の食環境では、食物繊維の多い選択肢と水分摂取の機会を確保します。便秘を理由に本人へ特定の食事を強制せず、トイレを利用しやすい勤務運用や休憩も検討します。血便、急な便通変化、体重減少、発熱、強い腹痛・嘔吐、便やガスが出ない状態があれば、食事調整だけで様子を見ず医療機関へ相談してください。
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参考文献
van der Schoot A, et al. The Effect of Fiber Supplementation on Chronic Constipation in Adults: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Am J Clin Nutr. 2022;116(4):953–969. doi:10.1093/ajcn/nqac184. PMID:35816465.
荒木 琢登/一般社団法人Tactical Med



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